お昼前、車に乗って会社に帰る直前に倒れている自転車の横に立って腰を押さえている女性を目にしました。
早速、会社の駐車場に車を置き、走って見に行きました。
その女性は、自転車を置いたまま歩いていました。
少し足を止めながら、引きずり加減で道を横断しているところに声を掛けました。
「大丈夫ですか。自転車で転んだのですか?」
「だいじょうぶよ。」
「自転車は?」
「後でお父さんに取りに来てもらうわ」
「家はすぐ近く?」
「すぐそこ」
「ここで待ってて!」
私は、坂を走って駆け下りて自転車を取りに行きました。
悲しくも、自転車は横たわっていました。ハンドルを持ち置きあげると前かごがひし形に曲がっていました。ハンドルも少し歪んでいるようでした。
転がしてみたら何ともないようです。ブレーキを握ってみると効きが甘いようです。特に後ろブレーキが効きが悪いようです。
転んだ影響でもないようです。そのまま坂を転がして上がっていき、女性のところまでたどり着くと女性は、
「そこの角のところに置いといて。あとで取りに来るから。」と恥ずかしそうに。
「家近くでしょ、自転車運んでやるよ。遠慮しんでもいいから、腰痛いでしょ。」
またそこから一緒に少し坂を歩いて登りながら、
「お宅はどちらのお方?」と尋ねるので、
「そこの会社の者ですよ。」
「もしかして、うちの娘と同級生じゃないですか?うち〇〇ウチと言います。」
「えっ、しーちゃんのお母さん?そーなんですか?」
今までも1,2回会ったのみで記憶もなく、顔も覚えていませんでした。まさか同級生のお母さんだんて。でも、話しながら歩いて行くうちに娘、孫が帰ってくる話や、私が小学生の時に〇〇ウチさんの庭のキンカンを道から手を伸ばしてとって食べていた話などしながら、私自身楽しく自転車を押して家までむかいました。
前カゴもひし形にひしゃげた割には、幸い怪我もなく良かったです。
ただ問題なのはブレーキの効きが悪いこと。
転んだ現場は、南面に下る坂の住宅街の中の、緩やかに下る坂から右に曲がる上り坂の角。
歩道に上がる3センチほどの段差にタイヤを取られ転んだようです。
ブレーキの効きが悪いため、スピードが落ちずに右折したのが原因ではないかと思われます。
やはり自転車はブレーキがなくてはならないのです。
坂も長く、スピードが乗れば止まるまで時間がかかります。急には止まれません。
このような整備状況があまり良くない自転車もまだまだあるに違いまりません。
上り坂も年を召した方には非常に酷な環境です。娘も嫁に行き、老夫婦の二人暮らし。お父さんは自動車免許があっても、お母さんがないという家は多くあります。坂の多い町では自転車での買い物も辛いでしょう。
そのような場に居合わせないとなかなか気付かないことです。
今日はそんなことを気付かせてくれた一日でした。
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